ドイツの子供は義務教育期間トータルで平均23,000時間を学校の椅子に座って過ごすそうです。これだけの時間を共にするのに、今の生徒たちにとってクールな椅子のデザインって本当に見当たらないですね。
- 本来なら、自分たちが生きている時代に合うクールな椅子に座って学習するのは当然のことのはずです。椅子ってアイデンティフィケーションの問題も重要で、機能すればそれでいいっていう家具ではない。その椅子が気に入って好きになれば、自然と座り心地もよくなるのではありませんか。今日の生徒のためにあるべきものは、今までの一般的なスクールファニチャー像とは全く違うデザインなのです。
これはとてもリアルな問題で、デザイナーとしてもやりがいがありました。デザインで現代社会の中の何かを変えることができるんじゃないかという実感があった。安定性や防火性、寸法など現代のスクールチェアに要求される項目をすべてクリアするデザイン。そのデザインが同時に美しさの表現でもなければならない、この点が大きな挑戦でもありました。フレートットー社というとバグホルツ(合成樹脂液を含浸したブナ材の極薄板を高温・高圧で圧縮成形した一種のラミネート合板)というマテリアルがトレードマークだったのですが、「PRO」はカラフルなプラスチックのシェルになりました。
- バグホルツはプラスチックに比べてどうしても2次元的な成形になり、自由な造形という点で限界があります。僕たちは、よりインダストリアルでコンテンポラリーなデザインのスクールチェアを目指していました。普通はプラスチックの椅子だとガラス繊維が20〜30%混合され、プロダクトが重くなるとともに、価格も高くなり、染色も難しくて表面にムラができたりします。「PRO」のシェルは100%ポリプロピレンで、他のプラスチックよりも軽くてエコロジカル。放課後の掃除のために椅子を机に上げるのも楽なんです。
また、スクールファニチャーのデザインで忘れてはならないのは価格です。その点でもプラスチックのほうが木より適していました。そして独特の「PRO」だけのフォルムができあがったと思います
(via attrip)